SIM card Reader/Writer


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SIMカードリーダー/ライターについて、やっと、書きます。

筆者自身、この件に関してそれほど詳しいわけではありませんが・・・

まず、携帯に使われているSIMカードは、一部のクレジットカードや身分証明書にも使われている「接触型ICカード」と、物理的規格は同じです。

 

「接触型ICカード」は一時、流行りましたが、非接触型ICカードが普及してからは余り見なくなりましたかね。

ICカードはハード的仕様は国際規格(ISO/IEC 7816)で決まっていますが、データのフォーマットはISO/IEC 7816では最小限しか決まっておらず、残りのデータ領域のフォーマットや演算コマンドは、業種や使用目的によって違います。

したがって、目的に適したソフトを使用しないと、ICカードの内容は閲覧できません。


ICカードリーダーには、クレジットカード/身分証明書型のICカードを読取るタイプと、携帯に使われているSIMカードを読取るタイプがあります。
(もちろん、クレジットカード/身分証明書型のICカードリーダーには、接触型ICカードリーダー、非接触型ICカードリーダー、接触型・非接触型兼用ICカードリーダーがあります。)

 

クレジットカード/身分証明書型のICカード・リーダーでも、アダプターを使えば、SIMカードを読める装置もあります。

 

アダプターそのものはクレジットカード/身分証明書の形をしていてICカード・リーダーにスライドでき、ICカードの接点をただ単にSIMカード挿入スロットに延長しているだけです。

 

 

ICカードリーダー(Smart Card Reader)はUSBでPCに接続し、用途別または業種別の専用ソフトで読み書きします。

ドライバーは、Windows PCの場合にはマイクロソフトの汎用スマートカード・ドライバーが、装置をUSBで接続すると自動的にインストールされることが多いです。

 

 

 

しかし、このドライバーは、Windows 7やWindows 2008 Serverでは正常にインストールできないことがあります。(これまでの経験では、Windows XPやVistaはほぼ問題ありません。)
その場合は、
Manually Install a Smart Card Driver
を参考にして下さい。

もちろん、購入したICカードリーダー/SIMカードリーダーにドライバーが付いてくるか、メーカーのドライバーソフトウェア・サイトでダウンロードできれば、それも可です。

さてここからは、ICカードの中でも携帯に使用されるSIMカードに関してのみ話題を絞ります。
 
 

■限定目的のSIMカードリーダー/ライター ソフトウェア

SIMカードの携帯電話キャリア情報を読み込んだり変更したりするソフトは、このサイトでも以前に以下の記事で紹介しました。

iPhoneアクティベーションSIMカードについて(2011年4月1日の現状) / OneSIMカードの使い方 – 2011年4月2日
iPhoneアクティベーションSIM再考/DITS Phonebook SIMがIMSI書換え可能になった – 2011年5月6日

これらのソフトは、SIMカードのIMSIコード(MCC、MNCコード。キャリアのコード。)を変更したり、DITSソフトトウェアの場合はSIMカードに書き込んだ電話帳を編集・追加・コピーする機能があります。

目的としては、携帯キャリアの基本コードを書き換え可能なOneSIMやDITS Phonebook Card (v2.3以上)に書き込み、解約済みSIMの代わりとしてアクティベーションSIM/テストSIMとして使用するものです。
 
 

■汎用SIMカードリーダー/ライター ソフトウェア

ところが、携帯のSIMカードにはIMSI/MCC/MNCキャリアの基本情報以外にも、他の情報が保存されています!
IMSI = International Mobile Subscriber Identity
MCC = Mobile Country Code
MNC = Mobile Network Code

それらを読むソフトを、見つけました!

DRPU Software社のSIM Card Data Doctor Recovery Software 評価版が無料でダウンロードできます。(有料版はUS$69。)
Sim Card Data Recovery 4.4.1.2
ダウンロード sim-card.exe

このソフトはキャリア情報やSIMカード番号(ICCID番号)だけでなく、SIMカードに書込まれている、「直近のテキストメッセージのコピー」、「電話帳」、「(機種によって)最後に電話した番号、スピードダイアル番号」、などが読み込めます。
(評価版は、最初の2レコードのみ表示できます。)

また、そのコピーをPCに保存することが出来ます。

ソフトをインストールしたら、起動します。

 

 

USB SIMカードリーダーにSIMを挿入し、USBポートに接続します。
そして、Data Doctor Recovery ソフトの「読み込み(Start Seaching)」アイコンをクリックします。

 

接続されているUSB SIMカードリーダーのモデル名(メーカー名)を選択し、「OK」ボタンをクリックします。

 

SIMカードへの接続(読み込み)が確認されました。
「OK」ボタンをクリックします。

 

画面の左側のメニューで「SMS(Text Message)」をハイライトすると、SIMカードから保存されているテキストメッセージが読み込まれて、表示されます。

 

テキストメッセージのへダーをハイライトすると、メッセージ全体が画面下に表示されます。

 

「Card Indentification」をハイライトすると、SIMカード固体番号(ICCID)が表示されます。

 

「Location」をハイライトすると、キャリアの識別番号MCC+MNCが表示されます。

 

「IMSI」をハイライトすると、キャリアの識別番号MCC+MNCを含むIMSI全番号が表示されます。

 

このソフトは分かり易く、SIMカードのフォーマットが良くわからない人でも、必要な情報が読み込めるようになっています。このソフトでは、SIMカードの書き換えは出来ません。
 
 
 

では、他にはどんな情報がSIMカードに隠されているのでしょうか?

・・・と探していると、もっと詳細なSIMカード情報を読み込み、かつ、フィールドによっては書き換えの出来るソフトが、ありました!

SIM Card Explorer

Sim Card Explorer
SimCardExplorer_1_1_2_setup.zip

(フランス語サイトですが、ソフトは英語メニューが選択できます。)

こちらはプロ用で、SIMカードの情報内容・フォーマットを詳しく知らないと、使いにくいと思いますが、しかし、SIMカードの全データが読み込めて、かつ、書き換えも出来ます。

ダウンロードしたソフトを解凍して、インストールします。

USBポートにSIMカードリーダーを繋げ、SIMを挿入して、SIM Card Explorerを実行します。

 

SIMが正しく読み込まれていれば、画面右下に「FDN Status : Disable」と表示されます。SIMを挿入しているのに「FDN Status : SIM Card not present」と表示される場合は、SIMカードリーダーをUSBポートから外して、再度繋げてみたり、SIM Card Explorerソフトを終了して再度実行してみたり、・・・

 

トップメニューから「Reader⇒Current Reader」をクリックし、

 

接続されているUSB SIMカードリーダーのモデル名を選択して、「OK」をクリックすると、SIMカードリーダーへの接続が再実行されます。

 

SIMカード上のデータの閲覧は、トップメニューの「SIM」をハイライトします。

 

「Sim Service Table」では、SIMのどのデータフィールドが使われているか(有効、Yes)の一覧表が表示されます。この中で「No」のフィールドは、このSIMでは使われていないことを意味します。

 

「SIM⇒File System」では、SIM内のデータを全て表示します。

 

左側ツリーの各項目をハイライトすると説明が現れ、

 

右クリックすると、「Read data」「Update Data」の選択が現れます。
「Read data」をクリックすると、

 

SIMカードにコマンドが実行され、SIMカードはPCに返信(データを送る)し、その値がPC画面に表示されます。
データ表示が2バイト単位の表示で、しかも上位バイトと下位バイトが反対に表示されるので、わかりにくいですね。

 

右クリックして「Update Data」をクリックすると、

 

警告メッセージが画面に現れ、「Yes」をクリックすると

 

データ編集画面に変わります。

 

編集したいデータの欄をダブルクリックすると、テン・キーや削除キーで値を変更できます。

 

編集完了したら「Update」ボタンをクリックすると、その値がSIMカードに書き込まれます。

 

値が変更できないデータは、「Update Data」が表示されません。
たとえば、SIMカード番号(ICCID)は変更できません。

 

他に、SIMカード内に保存されたSMSメセージや電話帳が閲覧、または閲覧・編集でき、

 

SIMカードに割当てられている電話番号を表示したり、

 


 

SIMカードPINを設定することも出来ます。(PUKコードが必要みたいです。)

 


 

あと何回、PIN入力失敗が可能かは、「Retry count」でわかります。

 

※筆者はこのソフトでPINコードを付ける方法が、まだ良く判っていません。
おかげでOneSIMカードを1枚アクセス不可能にしてしました。
このソフトでPIN設定をする際には、不要なSIMカードでまず試してみてから、本番をやってください。最悪の事態に陥って、元に戻すには、キャリアからPUKコードを入手する必要があります。
 
 

これらのSIM情報に関しては筆者も詳しくないのですが、「このフィールドを、こうしたら、こうできるよ」的な情報があったら、コメントで教えてください。



――<●>――
関連すると思われる記事:

「SIM card Reader/Writer」への6件のフィードバック

  1. すばらしくわかりやすい記事ですね。
    大変参考になります。
    ありがとうございます。
    ちょっとEbayでいろいろ買ってみます。

  2. お世話になります。大変参考になりました。
    できることなら 掲載のSIM card Reader/Writer、アダプター等のタイプ(製品名等)を掲載、購入元アドレス
    おしえていただいたら非常にありがたいです。
    ありがとうございました。

    管理人 返信:

    SIMカードリーダーは、読み書きできれば、機能はどれでも同じですよ。
    最近はUSBスティックタイプが多いですね。
    ただしこれだと、マイクロやナノSIMを読み書きする時には使いにくいです。中にはまってしまって、取り出すのに苦労することもあります。

    結果的に一番よく使っているのは、ICカードリーダーのOMNIkey 3021 smart card readerに、simホールダー基板を差し込んで使っています。このページの写真の上から4つ目です。去年ぐらいまではこの基板だけも買えるところがあったのですが、ここ2日ほど探していますが、見つからなくなりました。

    ソフトは
    DITSのソフト
    「iPhoneアクティベーションSIM再考/DITS Phonebook SIMがIMSI書換え可能になった」
    https://blogfromamerica.com/wp/?p=2504

    か、この記事のSIM card explorerで私の目的には十分足りていますが、最近新しいソフトを探したことがないので、もっと良いのがあるかもしれません。

    管理人 返信:

    見つかりました。
    ・・・ってか、他にもサイトがあったのですが(買った経験あり)そこはいまだに見つからず、別のところ(ここからも買ったことがある)で「ここなら、あるかな・・・」と思って調べたら、IC(スマート)カードサイズのSIMアダプターボードだけもまだ販売していました。
    http://rebelsimcard.com/rebel-simcard-professional-mini-to-full-sim-adapter-convertor-en.html

  3. ご回答有難うございます。
    ご連絡がおくれたことに対しお詫び申しあげます。
    先日よりe-bay、米国、台湾、中国のHPで検索しましたが小生の力不足でお手上げでした、ありがとうございます。

    その他、
    質問1:aibo 坦克ATM晶片讀?機 製品モデル:ICCARD-AB09
    http://www.gv-home.com.tw/front/bin/ptlist.phtml?Category=103166
    の製品入手方法はおわかりですか?

    以上

    管理人 返信:

    RebelSIMCard.comはイギリスの会社です。こういう、携帯関連をいじるためのガジェットは、なぜかイギリスにも多いようです。今回の目的の商品は販売していなかったですが、
    http://www.fonefunshop.co.uk/
    も面白いものが色々あります。

    ICCARD-AB09は台湾製ですね。中国語のサイトで注文するのは、さすがに難しいですね。何が書いてあるのか良く分からないし。
    ネットを探すと同一商品を1年前に日本からebayで買ったと言う人がいますが、今、ebay.comを探しても、もう、無いですね。
    すみません、分かりません。

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