iPad (iPod Touch)を使ってWi-Fi通話(Wi-Fi Calling) Wi-Fiを使ってiPhone経由で通話発信する条件と、使い方。




追記:
iPad (iPod Touch)を使ってWi-Fi通話(Wi-Fi Calling)を発信する条件と、使い方(方法2):今度こそ、本当のWi-Fi通話。 – 2017年6月18日
も参照。


新しい10.5インチ/12.9インチiPad Proのアメリカサイトの技術仕様に「Wi-Fi Calling」が記述されているので、疑問になって試してみました。


ちなみに、アップルの日本サイトの技術仕様には「Wi-Fi通話」が記述されていません。

以下、新10.5インチiPad Proはまだ手元に到着していないので、iPad Pro 9.7インチで試してみました。その結論から言うと、iPadでWi-Fi通話(Wi-Fi Calling)が出来るかどうかは、ハードウェアに依存しているわけではありません。ググると、iOS 8.0からこの「iPad(とiPod TouchとiPhone)でWi-Fi通話(Wi-Fi Calling)」機能が追加されたらしいです。

しかし、今回の検証で、iPad(iPod Touch)だけ持っていても、このWi-Fi通話(Wi-Fi Calling)機能は使えないことがわかりました。
iPad単体でFaceTimeを使って固定電話に電話しようとすると、以下のようにエラーメッセージが表示されて、繋げません。

結論から先に書くと、iPad(またはiPod Touch)でWi-Fi通話(Wi-Fi Calling)機能を使用するためには、
 - そのiPad(iPod Touch)と同じiCloud IDで登録設定されたiPhoneが必要であること
そして、
 - iPhoneに挿入されているSIMのキャリアがWi-Fi通話(Wi-Fi Calling)に対応していること 通話に対応していること。
(追記:「iPhoneに挿入されているSIMのキャリアがWi-Fi通話(Wi-Fi Calling)に対応している」条件は、
iPad (iPod Touch)を使ってWi-Fi通話(Wi-Fi Calling)を発信する条件と、使い方(方法2):今度こそ、本当のWi-Fi通話。 – 2017年6月18日
の場合に必須。)
の2つの追加条件が必要なことがわかりました。

ここで、アップルの日本サイトの技術仕様には「Wi-Fi通話」が記述されていない理由も理解できます。日本のキャリアはまだWi-Fi通話サービスを提供していないため、日本のSIMでiPhoneを使用している場合には、必然的にiPadでWi-Fi通話が出来ないのです。(☚ 多分・・・ページ最下部参照)
日本で発売されているiPad(iPod Touch)がハードウェア的にWi-Fi通話が出来ないわけではないようです。

まず、iPadでWi-Fi通話を実行するには、FaceTimeアプリを使用します。
そして、iPadからWi-Fi通話を可能にするためには、
1.iPhoneと同じiCloud IDで、iOS 8以上のiPadでiCloudにサインインします。
2.「設定(Settings)⇒ FaceTime」で「iPhoneから通話(Calls from iPhone)」をオンにします。
3.iPadは、通話発信に使用するiPhoneが接続しているWi-Fiと、同じWi-Fiに接続していることを確認します。

4.FaceTimeでペアになっているiPhoneが複数の場合には、実際に発信に使用したいiPhoneの電話番号を選択します。(この電話番号が、相手への発信者通知番号(Caller ID)になる。)



もし、電話番号の代わりにiCloud IDを選択すると、デフォルトで一番上にあるiPhone(の電話番号)が発信に使用されるようです。



この状態でiPadのFaceTimeを起動し、

画面左上部の「オーディオ(Audio)」が選択されていることを確認して、その下の欄に電話番号を入力します。(もちろん、固定電話の電話番号でも構いません。)


電話番号の横の受話器のアイコンをタップすると、電話を発信しますが・・・



その時に、iPhoneの方で電話が発信され、繋がります。(iPadでてWi-Fi通話 「Wi-Fiを使ってiPhone経由で」通話がつながっている最中、iPhoneは通話状態です。)
※ iPhoneが通話使用中の場合、iPadからのてWi-Fi通話 「Wi-Fiを使ってiPhone経由で」発信はできませんでした。
※ ハンドオフ(Handoff)機能が有効になっているときは、iPadで発信開始したてWi-Fi通話 「Wi-Fiを使ってiPhone経由で」の通話を、iPhoneの緑の通話ステータスバーをタップすることで、iPhoneで通話を引き継ぎ行うことが出来ました。一旦iPhoneのハンドオフ機能で引き継いだ通話を、iPadに戻して再開することは、出来ませんでした。

要は、Wi-Fiを介してiPadのFaceTimeがiPhoneをコントロールして発信し、電話が繋がった後は、iPhoneのスピーカー/マイクがWi-Fiを介してiPadのスピーカー/マイクに遠隔で繋がっている状態・・・という事になりますね。実際にはiCloudを経由して音声がiPhoneとiPadの間を行き来しているんでしょうか?(iCloudはピア・ツー・ピアの接続確立を最初に制御しているだけで、セッション確立後はiCloudを経由しないでWi-Fi上で直接iPhoneとiPadがピア・ツー・ピアで通信しているのだとは思いますが・・・)

でも、これだと、なんでiPadからWi-Fi通話「Wi-Fiを使ってiPhone経由で」通話する必要があるのか、分かりませんね。iPhoneから直接電話すれば良いと思いますがね。
会議室でiPadを使っていて、iPhoneは別の部屋に置いてきてしまったとか、そんな時?

そういうわけで、iPadからWi-Fi通話「Wi-Fiを使ってiPhone経由で」通話を行うには、それと同じiCloud IDでサインインしているiPhoneが絶対必要で、しかも、そのiPhoneで使用しているSIMがWi-Fi通話に対応している 通話に対応していることが必要のようです。

ただし、 この実験ではiPhoneのWi-Fi通話の設定は、「設定(Settings)⇒ 電話(Phone)」で「Wi-Fi通話(Wi-Fi Calling)」を「オフ(Off)」にしてあるので、iPhoneのキャリアのSIMがWi-Fi通話に対応していなくとも、「iPadからWi-FiでiPhoneへ接続し、iPhoneからは非Wi-Fi通話で発信」が出来るような気はするのですが、 ようです。・・・アメリカのキャリアは全4社ともWi-Fi通話ができるようになってしまったため、日本で誰かに検証してもらわないと、わかりません。

また、このテスト結果から、iPadで(iPhoneを経由して)Wi-Fi通話 Wi-Fiで通話を行うためには、iPadはセルラー版である必要は無く、Wi-Fiオンリー版でも可能なはずです。



――<●>――
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「iPad (iPod Touch)を使ってWi-Fi通話(Wi-Fi Calling) Wi-Fiを使ってiPhone経由で通話発信する条件と、使い方。」への5件のフィードバック

  1. こんにちは。

    iPad/iPod touchを使ったWi-Fi Calling機能ですが、
    掛け方としては、上記で紹介されているiPhone経由での発信(いわゆる普通のWi-Fi Calling)と
    iPhoneが例えば機内モード中でキャリア電波をつかんでいなくとも通話出来るiPad単体での発信
    (下記URLの”Wi-Fi Calling on supported iCloud-connected devices”)の2パターンが
    あったと思います。
    Verizonは普通のWi-Fi Callingしか出来ず、T-Mobileは2パターン目も使えていました。

    今は別構成にしてしまっているので試せないですが、
    iPhone側で、”Wi-Fi Calling”をON、”Allow Calls On Other Devices”をONにし、
    さらに”Add Wi-Fi Calling for Other Device”を選択するとiPhoneを経由しなくても
    発信出来るようになったはずです。
    (但し、発信元として使用している番号に電話が掛かってきた場合は相手先に通話中として
    通知されます)。

    なお、Wi-Fi版のiPad Air2で上記2パターンのWi-Fi Callingは使用出来ていました。

    https://support.apple.com/en-us/HT204039

    ただ、管理人様のテストではiPhone上でWi-Fi Callingをオフにしていても使えたとのことなので、
    もしかしたら違う機能なのかもしれないです。

    A Yoshida 返信:

    情報、ありがとうございます。
    確かに、「Allow Calls On Other Devices」を「ON」にしたら、ペアしたiPhoneの方からは発信せず、iPadから直接WiFiコールで発信しました。iPhoneを介していないのに、受け側に表示されるCaller ID(発信者番号)はiPhoneの電話番号でした。
    この時にiPhone側の「Wi-Fi Calling」は「ON」でも「OFF」でも、関係ありませんでした。
    これって、キャリア側で「Wi-Fi Callingサービス」と(AND or OR)、「(AT&Tのサービス提供名の)NumberSync」サービスのようなものが必要なんですかね。今テストしたのはSprintを使って、でしたが。(AT&TでもT-Mobileでも、また、Verizonでも最新のiOS/キャリアプロファイルだと「Allow Calls On Other Devices」設定はあります。)

    また、そういう事であれば、上のブログで書いた方法は、WiFi通話サービスを提供していない日本のキャリアのSIMでも可能なんでしょうかね?

    それとは別に、WiFi通話サービス(+ Allow Calls On Other Devicesサービス)を両方提供している場合には、iPhoneを介せずに直接iPadからWiFi通話できる、ということでしょうかね。

    iPadから通話する方法が少なくとも2通りあるので、紛らわしいです。
    どちらも「WiFi Calling」と言って良いのか、それとも、このブログで書いた方法は純粋な意味での「WiFi Calling」ではないのか、分からなくなりました。

    jiso 返信:

    追加記事を拝見しました、詳細な追加調査をして頂いてありがとうございます。

    よく考えて見れば、iPhone側の「Wi-Fi Calling」はiPhoneそのものがCellular電波が弱い時に代替えする手段なので、
    iPod/iPadでWi-Fi Calling発信(ややこしいですね)をする為の必須条件では無いというのは今更ながらに納得できました。

    日本のキャリアで使えるかは一時帰国時に追加調査してみようと思いますが、MVNOのSIMで
    少なくとも設定画面に無かったと記憶していますので、日本の各キャリアが使用しているキャリアプロファイルで
    無効化してある気がします。

    A Yoshida 返信:

    iPhoneの設定ではiPhoneでWi-Fi Callingが出来る契約でなければ、当然「ほかのデバイスでの通話を許可(Allow Calls On Other Devices)」設定項目は表示されないと思います。また、キャリアプロファイルにはWi-Fi Callingを使用する際の接続サーバーのアドレスも含まれていると思うので、iPhoneのSIM契約がWi-Fi Calling出来る契約でなければ、追加記事の方法は使えないでしょう。

    ただし、こっちの記事の方のやり方はiPhone側の設定に無関係に、iPadで「設定(Settings)⇒ FaceTime ⇒ iPhoneから通話(Calls from iPhone)」があれば出来るので、iPhoneのキャリアの契約にWi-Fi Callingが含まれていなくとも出来るような気がします。

  2. とても、紛らわしいですね。確かに、、。iPadMiniで、私も試してみました。iPhoneキャリアはVerizonですが、 iPhoneをAirplane Modeにした場合、iPhoneの電源を切った状態、いずれでもCallは、OKでした。Caller IDは、iPhoneの電話番号でした。確か利用条件として、同一WiFi内と書いてあったはずなので、ある時間内に、少なくとも同じWifiで接続してあれば、iPhoneなしでも、使えるのか? ますます紛らわしくなってきてしまいましたが、、、。

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