T-Mobile USは、Sprintによる買収が認可されなかった場合も考慮し、700MHz低周波数の使用権の買収を継続。


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T-Mobile USは、VerizonがCATV会社などからAWS Band 4の使用権を買収した際に一緒に譲渡を受けた700MHz Band 12の使用権を、Verizonから23億6500万ドルで購入することを2014年1月6日に発表し、2014年4月30日にFCCの認可を受けて購入手続きを完了していました。

T-Mobile USはVerizonから700MHz帯域の周波数使用権を購入するまでは所謂「プラチナバンド」と呼ばれている1GHz未満の周波数帯を持っておらず、ビル内の電波の伝達が弱かったり、郊外や過疎地で長距離の電波伝達が出来なかったりして、ユーザーに不便を掛けていました。

Verizonからの700MHz Band 12取得は、全米の人口カバーで1億5800万人をカバーし、人口カバー率では約51%になります。今回の獲得でアメリカ人口トップ10都市のうち9、30都市のうち21をカバーします。
T-Mobile USが700MHz Aブロック(Band 12)取得を報告、今後のLTE拡張計画に触れる。 – 2014年5月1日

700MHz Band 12の残りの電波使用権は、アメリカ第5位の携帯キャリアであるU.S. Cellularを含め、地方の地域キャリア約33社が所有しています。

New York Post誌の報道によれば、T-Mobile USはこれらの地方キャリアから700MHz Band 12を購入する提案を各キャリアに出しているということです。
【New York Post】T-Mobile CEO sets safety net while awaiting Sprint offer – 2014年6月17日

予想されている「SprintとT-Mobile USの合併(SprintによるT-Mobile USの買収)」が規制当局に(万が一)認可された場合には、新会社は多くの地域で携帯に利用できる全周波数の3分の一以上を大きく上回ることになり、AT&TとVerizonとの「競争の平等化」のため、周波数使用権の一部を他社へ譲渡するよう司法省から勧告を受けるはずです。その際には真っ先に700MHz Band 12を手放すことになると思われます。

しかし、T-Mobile USとしては、Sprintによる買収が認可される可能性が未知数であることから、自社努力による企業生存の目的のために700MHz Band 12の整備を全米レベルで達成するため、この周波数の使用権の獲得をさらに進めていく決定を下したようです。



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