SprintとT-Mobile USが合併しても、サービスエリアはそれほど広くならない。


- Old Counter



本日のNew York Times誌(オンライン)とPC Magazine誌(オンライン)は、Mosaik SolutionsによるSprintとT-Mobile US両者のサービスエリア地図を取り上げ、「2社が合併しても、サービスエリアはそれほど広くならない」と報告しています。
【New York Times】What a Merged Sprint and T-Mobile Would Look Like – 2014年6月9日
【PC Magazine】Map Reveals How Sprint/T-Mobile Merger Wouldn’t Expand Coverage – 2014年6月9日

下の地図を見て判るように、濃い紫色は2社の携帯サービスが重複しているところ、黄土色はSprintのみ、ピンクはT-Mobile USのみ、のエリアです。
大都市では重複しているところが多く、これらの都市ではVerizon、AT&T、Sprint、T-Mobile US」の4社選択が、合併によって3社選択に減ります。
ワイオミング州、モンタナ州、ノースダコタ、サウスダコタ、ネブラスカ州では、ほとんどカバーされていません。
アラスカ州ではSprintもT-Mobile USもどちらもサービスしておらず、現地の地域電波かAT&Tの電波にローミングしています。

次の地図はNew York Times誌(オンライン)に掲載された、2社合わせた周波数帯域の地図です。
SprintはClearwireを完全子会社化したことで、2.5GHzの周波数帯域を広く所有することになりました。以下の地図で紫色の地域はSprint/T-Mobile USが合併後、150MHz以上の周波数帯域を保有する地域で、携帯会社全体の1/3以上を保有することになり、合併調査中に「独占的所有」と見なされ、アメリカ規制当局から他社への周波数帯域の譲渡が要求される可能性のある地域です。

また、下の図を見ると、上の図でサービスエリアとされていない地域でも、2社は電波使用権は所有していることがわかります。
合併後、経費削減によって余剰投資資金が出来て、これらの未サービスエリア地域にもサービスを拡張する計画があるかどうか、も、規制当局の認可の可否判断の材料になると思われます。

※ Sprintは多数の地域/僻地マイクロ(Rural)キャリアとローミング契約をしており、上の図にはこのエリアが含まれて居ません。しかし、これらの地域/僻地マイクロ(Rural)キャリアはほとんどが1900MHz CDMA2000通信方式を使用しており、2社が規制当局の許可を得て合併できた暁には新会社はいずれ、Sprintが使用している3G通信方式のCDMA2000は停波すると予想されているため、これら地域/僻地マイクロ(Rural)キャリアとのローミング契約はあまりプラスにはなりません。
ただし、SprintはLTE Band 12による地域/僻地マイクロ(Rural)キャリアとのローミング・プログラムを今年(2014年)3月末に発表しており、地域キャリアのNtelosとLTEのアライアンスを発表しています。

ちなみに比較のため、下にVerizonのLTEサービスエリア地図を掲載しておきます。

ちょっと小さくなりますが、2つのサービスエリア地図を一緒に横に並べてみましょう。
 



――<●>――
関連すると思われる記事:

「SprintとT-Mobile USが合併しても、サービスエリアはそれほど広くならない。」への2件のフィードバック

  1. VZWとのエリア比較するとその差は歴然ですね。
    ここまでエリアが違うと大都市圏以外の人は合併したところでメリットが見出せなさそうですね。

    管理人 返信:

    「合併すれば経費削減となり、周辺部へのサービス拡大への投資が出来る」と孫さんは主張したいのでしょうが、「通信費を今よりも安くする」という約束も公約の一つですから、「通信費を安くすると、利益が減る」という観察もあり、「孫氏は公約を守れないだろう」という疑いの目で見ている人たちも多いです。

コメントは受け付けていません。