店員の間違った情報に振り回されるな! アメリカの店員は、どうやって新商品情報などを学ぶのか?


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一般的なアメリカの情報です。

アメリカの店員、たとえば、携帯キャリアのショップの店員やアップルストアの店員などは、どうやって新しい商品やサービスの情報や、技術的な情報を得るか、考えたことがありますか?
アメリカって広いですからね。一箇所に店員をまとめて、新商品/サービス説明会をするのは、時間と金が掛かりますね。その時は、店はどうするんですか?閉めるんですか?
店ごとに店長が店員に説明するにしても、店員の就業時間のシフトが違うと、何回も説明しないといけませんね。感謝祭とクリスマスと正月以外はほぼ年中無休で、1日12時間以上開いている店が多いので、店員全員が揃う日や時刻なんて、絶対にありませんよ。

たまたま数週間前に近所の郵便局へ行った時、いつもは2-3人居る窓口スタッフが、そのときは一人しか居なくて、待っている人の列が長かったことがありました。たまりかねた列の中の一人が「今日は、他のスタッフはどうしたの?」と聞いたところ、窓口職員が「一人、今、トレーニングを受けているから、私だけなのよ」という返事をしていました。直後、「ほう、たった一人の職員に、トレーナーがどこからか来ているのか」と筆者は感心しましたが、その数十秒後、隣の部屋からキーボードを打つ音と、ため息やら納得の独り言のような声が聞こえてきます。

「あ、そうか。PCとブラウザーで『郵便局職員』サイトへログインして、そのサイトにある必須カリキュラムを就業時間中に自習しているだけなんだ。」と、やっと、そこで理解できました。
おそらく、その自習カリキュラムには途中に何箇所か、または、最後に簡単なクイズがあって、(最低限)必要なことを学習したかどうかチェックする項目があるのでしょう。

ここに書いたことは郵便局に限らず、アメリカの一般のチェーン店でも同じでしょう。

時々ネットで漏れる携帯キャリアや家電量販店の「新商品やサービスの、事前情報リーク」も、本社から店舗店員へのEメールでの業務通知の内容だったりしますね。

アメリカの郵便局は、2012年11月15日からリチウム電池入り小包の受付を開始しました。しかし、12月上旬にある郵便局へ、そして、2013年1月に入ってから別の郵便局へ携帯/iPadを日本向けに郵送しようとしたところ、どちらの郵便局局員とも「リチウム電池解禁」のことを知りませんでした。筆者が局員に教えてあげなければなりませんでした。

先週、Verizonのショップへ不良/紛失ポケットWiFiの交換に行ったときにも、担当店員は新製品情報の詳細を知らず、筆者が教えてあげなければなりませんでした。

2、3週間前にある日本の読者から、「アメリカのAT&T版SIMフリーiPhone 4Sが壊れたので、日本のアップルストアで交換してもらったけど、店員が『SIMロックされるかどうかは、最初に本体アクチする時に挿入するSIMによる。(日本のSIMを挿入したら、SIMロックされる。)』と言ったので、どうしたものかと困っている。」と直接メールで相談されました。まだそういうアマチュア的な「間違った」情報を、しかも、アップルの店員が、堂々と話していると思うと、呆れてしまいます。
※ iPhoneがSIMフリーかどうかは、アップルのデータベース内で、そのiPhoneのシリアル番号が「SIMフリー」とフラッグされているかどうかによります。iPhoneを交換した場合には、アップルのデータベース内の全ての情報が、交換前のiPhoneの情報から、交換後の新しいiPhoneのシリアル番号にコピーされます。したがって、店員がアップル店内のコンピュータ上で行う交換手続きが間違っていなければ、SIMフリーiPhoneを交換すると、SIMフリーiPhoneが手元に戻ってきます。SIMフリーなんだから、どのSIMを使って初期の本体アクチをしても、大丈夫です。

昨日も「T-Mobileのデータ通信プランは、フリー(無料)ではない。」と店員に言われて、それを信じて帰ってきた(?)方が、その間違った報告をコメントに書いてくれましたが。
※ T-Mobile Simple Choice(ポストペイド)データ通信プランは、最低$20、携帯も加入していれば最低月$10が課金されます。
T-Mobile Pay-in-advance(プリペイド)データ通信プランは、月200MBまで完全無料です。クレジットカードの登録すら、不要です。

つまり、アメリカの店員の知識なんて、その程度のものです。
新製品の知識は自学自習。それに目を通すかどうかは、店員次第。目を通したとしても、実際に自分で使っていないハードウェアだった、自分で加入していないサービスだったりしたら、細かいところが分かるはずがありません。特に、アメリカに住んでいる人(店員)は、プリペイドサービスなんて殆ど利用しません。大体、アメリカのキャリアの店員は、ポストペイド契約が店員特別割引で50%引きなんてベネフィットが提供されていますから、自分ではプリペイドなんて加入しませんよ。だから、携帯キャリアの店員は、(観光客など短期訪問者が多い場所以外では)プリペイドプランを知らない店員が多いです。たぶん、プリペイド契約を販売しても、自分の販売業績評価にも反映されないんじゃあないかと思います。

そもそも、技術の有る人、知識のある人は、低賃金の「ショップの店員」なんて、長くやっていません。

アメリカのお店を訪問する時で、特に新しいサービスに加入する場合には、その説明を書いた記事などを印刷して持参し、証拠として提出できるくらいのことをしないと困ることがあります。
プリペイド携帯やプリペイドデータ通信プランに関しては、店員のペースに乗って店内で自分の希望以外のプランにアクチされないように、状況を良くフォローしながら、場合によってはSIMだけ貰って、後は自分でしたほうが良いことがあります。

まあ、筆者も間違っていることはありますが、少なくとも店員の言うことは全て信じないで疑うこと。疑問なことがあったら、店内のコンピュータなどで納得が行くまで店員に調べてもらう、ぐらいの心構えは必要です。



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