iPhoneを衛星通信可能にするThuraya SatSleeveがデータ通信可能版をリリース


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アラブ首長国連邦のドバイに本社を置く衛星通信提供会社、Thurayaは、2013年3月20日にiPhone用ジャケットで衛星通信(通話とテキスト)が出来るSatSleeveを発売していましたが、このほど(2013年9月4日)、新しくデータ通信も可能なモデルを発表しました。
【Gulf News】Thuraya unveils new SatSleeve – 2013年9月4日
【Financial Post】Thuraya Unveils New SatSleeve – 2013年9月4日

Thrayaは1997年に設立され、2000年10月21日に同社最初の通信衛星を打ち上げました。その後、2001年より衛星電話サービスを提供しており、現在、赤道上に静止衛星を2機所有し(打ち上げは3機。最初の1号機は2007年に運用終了。)、東はアジアと太平洋上の一部から、西はアフリカ全域まで、地球の約三分の二をカバーしています。(北米・南米を含む西半球のアメリカ大陸では、同社の衛星カバレッジが無いため使用できません。)
Thurayaは主に外洋航路の船舶利用などを含め、これまでに約65万台の衛星電話を販売しています。

Thuraya衛星通信サービスカバレッジ地図:

今年(2013年3月20日)にiPhone 4/4S用ジャケット型でiPhoneに装着してBluetooth経由で通話とSMSテキストメッセージだけが可能な第一世代SatSleeveが発売されていました。装置はSatSleeve本体、アダプターの2つの部分で構成されており、アダプターはiPhone 4/4S用とiPhone 5用の2種類があります。(第一世代SatSleeveの標準パッケージにはiPhone 4/4S用アダプターが同梱されています。)
今回の第二世代SatSleeveではiPhone 5用アダプターが標準で同梱され、データ通信も可能になり、Eメール、ウェブ閲覧、SNSサイトへのアクセス等も可能になります。アダプターは別売で購入できますので、SatSleeve本体はiPhone 4/4SにもiPhone 5にもどちらにも使用できます。



データ通信速度はダウンロード最高60 kbps/アップロード最高15 kbpsのGmPRS通信形式です。
Thuraya SatSleeveとiPhoneの間のデータ通信は、WiFiで接続されます。(Thuraya SatSleeveがWiFiホットスポットの役割を果たします。)

Thuraya SatSleeveには独自のマイクとスピーカーがあり、iPhoneが装着されていなくとも本体だけで着信を受けることが出来て、また、非常時にはiPhone無しで本体だけを使用して、本体の裏にある非常ボタンを押すだけで、事前にプログラムされた電話番号に電話することが出来ます。つまり、Thuraya SatSleeveはキーパッドと画面の無い電話機で、BluetoothとSatSleeveアプリを使って、iPhoneがSatSleeveのキーボードの役割をします。(iPhone側で脱獄は不要です。iPhone装着時は、アプリを通してiPhoneのマイクとスピーカーが使用されると思われます。)


Thuraya SatSleeve第2世代は、2013年9月10日からソフトバンク、China Mobile、GTNT(ロシア)を含む世界のThurayaパートナーから販売されます。
(第一世代モデルは現在$650-850で衛星電話専門オンラインショップで販売されています。)

SatSleeveには本体にThurayaのプリペイドSIM(24ヶ月有効、$35から)またはポストペイドSIMを挿入して使用するか、
【Amazon.com】Thuraya Prepaid SIM Valid for 24 Months with 20 Units on Improved Nova Tariff

ソフトバンクを含む160カ国356のパートナーGSM/W-CDMA通信会社のSIMを使用することが出来ます。



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