アメリカ:単位人口当たりのハイテック・ベンチャー起業数が多い都市ランキング


- Old Counter



Kauffman Foundationが昨日発表した、アメリカ国内の単位人口当たりのハイテック関連起業ベンチャー数の多い都市ランキング:
【Kauffman Foundation】Tech Starts: High-Technology Business Formation and Job Creation in the United States – 2013年8月 (元のKauffman Foundationレポート、PDF)
【Ewing Marion Kauffman Foundation】Young High-Tech Firms Outpace Private Sector Job Creation – 2013年8月14日
【Engine.is】All Over The Country, New and Young High-Tech Firms Are Key Job Creators – 2013年8月14日
【Quartz】Rocky Mountain High:America’s most densely-packed startup scenes aren’t just in Northern California – 2013年8月14日

数値は、全米平均を「1」とした場合の、各都市/地域のハイテック関連ベンチャー起業(スタートアップ)数です。

地元びいきでこの調査結果を報告したいと思います。

大方の推測とは違って、単位人口当たりのハイテック・ベンチャー起業(スタートアップ)の集中度が高い都市(2010年現在)は、・・・


 

1. コロラド州Boulder (指数 6.3)
2. コロラド州Fort Collins-Loveland(指数 3.0)
3. カリフォルニア州シリコンバレー San Jose-Sunnyvale-Santa Clara(指数 2.6)
4. マサチューセッツ州Cambridge-Newton-Framingham(指数 2.4)
5. ワシントン州Seattle(指数 2.4)
6. コロラド州Denver(指数 2.4)
7. カリフォルニア州San Francisco(指数 2.4)
8. Washington DC-Arlington(バージニア州)-Alexandria(メリーランド州)(指数 2.3)
9. コロラド州Colorado Springs(指数 2.3)
10. ワイオミング州Cheyenne(指数 2.0)

※ 筆者注:表の順位と、参照ブログサイトの本文に書かれてある「トップ10 都市リスト」の順位が違う理由が、分かりません。しかし、傾向は分かるかと・・・ Dr.DOさんの指摘により、順位の違いは、参照ブログサイトが原文レポートから参照した表が間違っていたためでした。表(と対応地図)を差し替えました。

また、次の地図では、ハイテクスタートアップの多い地理的ロケーションが分かります。

 

ハイテク産業の多い都市は、レベルの高い大学や軍施設の多いところに目立ちます。必ずしもカリフォルニア州シリコンバレーに限らない、というところに注目していただきたいと思います。

コロラド州ボルダー市は人口約10万人、通勤範囲内の隣接都市も含めると30万人程度ながら、アメリカ国立標準技術研究所とアメリカ海洋大気庁の政府関連の研究所、コロラド大学ボルダー校、IBMのアメリカ国内3大工場の一つ(IBMセレクトリックタイプライター、レーザープリンターなどを過去に製造。現在は主にデータセンターとして使用。)、などが昔からあり、ハイテク/バイオ関連のスタートアップに好意的な周囲環境が整っており、ハイテク企業の従業員のライフスタイルをサポートする自然環境や生活環境(健康食品スーパー、自然を楽しむことを中心にしたライフスタイル環境)も整っているので、起業が起こりやすいのです。

更に、シリコンバレーは広すぎ/大きすぎて、ベンチャー同士の競争も激しく、企業間(起業間)競争や、投資資金や、レベルの高いエンジニアの取り合いのプレッシャーの中で起業を成長していかなければならないが、中規模都市ではもっとゆったりと生活しながら、アイデアに集中しながらそれを伸ばしていけるのが、良いということです。

Boulder/Denver/Fort Collins/Colorado Springs地域は標高1600メートルの”平地”にあり、コロラド州の人口は約400万人。そのほとんどが、「Front Range(フロント・レンジ)」と呼ばれる、ロッキー山脈の東の麓に位置する都市に住んでいます。

コロラド州には海抜14000フィート(4200メートル)以上の山頂が53あり、そのうち少なくとも2つはほぼ頂上まで車で行けます。(最後の20メートルくらいは徒歩。)ロッキー山脈国立公園の舗装道路の一番高いところは、標高が12183フィート (3,713 m)で、富士山の頂上の高さに迫ります。(3,776 m)

Boulder/Denver/Fort Collins/Colorado Springsからは、ロッキー山脈まで車で約1~2時間。麓から更に2~3時間で頂上に到達できます。

日本のマラソン選手の高地トレーニングの場でも有名。

 

昨年は、「木から落ちるシュールなクマ」で世界的に大きなニュースになりました。
【訃報】コロラド大学に迷い込んだクマ、1週間後に交通事故で死亡 – 2012年5月6日


 

今年(2013年)6月上旬からは成田/デンバー間の直行便も就航開始しました。

機会があったら、ぜひ、「Colorful Colorado」(州のモットー)へ。

 



――<●>――
関連すると思われる記事:

「アメリカ:単位人口当たりのハイテック・ベンチャー起業数が多い都市ランキング」への7件のフィードバック

  1. 「Welcome to colorful Colorado」はUtahとの州境ですね。車で通る度にいつも笑ってしまいます。

  2. 日本語での紹介ありがとうございました。指数とランキングが違うのは元のレポートの表1と図7が全体の順位なのですが、このページで使われているのはインターネット関連の会社のみのデータ、表2と図8が間違えて使われているためです。表1と図7に差し替えるとつじつまが合います。

    あと、木から落ちるクマが、変換違いで、気になっています。

    管理人 返信:

    そうですか、「気」になっていて、「気になって」いましたか。(笑)
    直しておきました。

    Dr.DO 返信:

    (笑)ありがとうございます。
    日本語でのレポートで元のKauffmanのレポートと一緒に、このページを参照したいのですが、よろしいでしょうか?
    あと、表2と図8を表1と図7に差し替えていただけると正確になるので助かります。(多分ほとんどの人はこの日本語版だけ読むと思うので)
    宜しくお願いいたします。

    管理人 返信:

    はい、自由に参照してください。
    また、表と図を原文レポートからコピーして、差し替えました。

    Dr.DO 返信:

    ありがとうございました。

    Dr. DO 返信:

    https://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2015/07/articles/1507-06/1507-06_article.html
    で参照させていただきました。
    ありがとうございました。

コメントは受け付けていません。