アメリカの携帯電話事情はここ数年で随分変わりました。古い情報にはご注意を。


- Old Counter



アメリカの携帯電話事情は、ここ数年で随分変わりました。
特にプリペイド携帯業界の変化は、スマートフォン(データ通信プラン)の普及とともに、この3年ですさまじい速度で変わっています。
それに引っ張られて、ポストペイド携帯業界も変わらざるをえなくなっています。

それにも関わらず、いまだに古い資料を基にした公告・マーケティングをしている携帯会社があります。
その情報を信じて、「アメリカへ来てからだと携帯契約が難しいから、・・・」と、日本からアメリカへ来る前に「アメリカ向け日系携帯会社」と契約してくる人も居るようですが、本当にそれで良いのでしょうか?

その日系携帯会社のサイトを例にとって、間違った情報/古い情報を指摘してみたいと思います。

ちなみにこの会社は、意図的に消費者を騙そうとしている訳ではないと思います。
そもそもこの会社は、親会社の「English Speaking顧客用商品」を日本人向けにリブランド(Re-brand)して、日本人向けに日本への国際電話を少し安くして提供しているだけです。つまり、この会社はマーケティング会社であって、商品開発能力のあるスタッフは誰も居ない、ということに問題があります。したがって、自分たちもアメリカの現在の携帯電話事情・業界事情を良く理解していない、特に技術面での理解が欠落していることが、最大のミスコミュニケーションの原因と、筆者は分析しています。

したがって、この会社を非難することが目的ではなく、正しい情報を自分で探すことが大事であることを、例を使って指摘するためにこのブログ記事を書いています。

※ もう一つ追記ですが、筆者もこの会社のSIMは購入していますし、持っています。(日頃使っているかどうかは、別の話。)

なお、当サイトのブログ記事は、過去の記事であっても可能な限り、気が付く限り、最新情報を追加したり修正したりしています。それぞれの記事の下に表示される「(最終編集 xxxx年xx月xx日)」を注意してご覧ください。勿論、全ての記事を更新出来ているわけではありませんので、ご了承ください。


アメリカ携帯電話の特徴1 携帯電話の契約が難しい
アメリカで携帯電話を契約するには、「SSN(ソーシャル セキュリティ ナンバー)*1」「クレジットヒストリー*2」「アメリカの住所」が必要です。

「必要」ではありません。特に、プリペイド契約の場合には、全く不要です。


渡米直後の外国人には、「SSN」も「クレジットヒストリー」もありません。その状態で携帯電話を購入しようとしても、大抵の場合、契約を断られてしまうか、契約をするための高額なデポジットを要求されます。

プリペイド契約では、デポジットは不要です。


アメリカ携帯電話の特徴3 契約期間は2年が一般的
米国も日本同様、契約期間が設けられています。一般的な期間としては、2年間でしょうか。

ポストペイド契約でも、「Month-to-Month」という、契約期間の束縛されない契約方法があります。Month-to-Month契約なら、いつ解約しても、違約金はゼロです。
さらにT-Mobileにおいては今年2013年3月24日よりのポストペイド新規契約者(自社ショップでの契約)には、2年契約束縛を完全撤廃しています。いつ解約しても、解約料が無くなりました。Verizon CEOも、この動きに共感を示しています。

プリペイド契約は、どの会社も、いつ解約しても、解約料はありません。


それだけでなく、解約の際には大変な苦労があります。カスタマーセンターに解約連絡をしたら、あらゆる引止め、電話のたらい回し、あげくの果てに逆ギレ! 英語に不慣れな方では、解約の意思やその理由を伝えるだけで四苦八苦してしまいそうですね・・・。アメリカでは、携帯電話を契約することと同じくらい、解約するのも大変なんです。

これは、一昔前の話ですね。
いまどき、携帯会社を変えるのは当たり前になっていますから、そんなことでいちいち引き止めたりはしませんよ。


アメリカの課金形態はとにかく細かい!
・・・
Long Distance:州外通話の場合、In-state callに加えLong Distanceが課金

これも、一昔前の話。
今、アメリカの携帯電話の会社で「Long Distance:州外通話」料金なんて課金しているところは無いですよ。全米国内は、一律料金です。


Cross Network call:異なる会社の携帯電話と通話をする場合、通話料金に加えCross Network callが課金

これは、もっと昔の話。こんな課金をしている携帯会社は、今はアメリカには無いです。


プランによっては平日、早朝、深夜、週末、無料通話を超えた場合など、細分化された料金設定があります。そのため、料金請求時に、「思っていた以上の料金が請求されている!」ということもあります。

確かにポストペイド契約では細分化されていることがありますが、「早朝、深夜、週末」は無料になるのが普通なので、「思っていた以上の料金が請求されている!」ことは起こりえません。
また、ポストペイド契約では「通話し放題・テキストし放題」プランしか提供しない傾向に向かっているので、この場合は全ての通話が「無料通話」なので、通話とテキストで超過料金が発生することがありません。(国際電話発信・国際テキスト送信以外では・・・)


アメリカで一番安い! 月額基本料金$9.99プラン

プリペイドでPay-as-you-goなら相場は$20で90日だから、月$6.67。


通話料金が、プリペイドより割安!

この会社はMVNOなのに、1分当たり$0.25課金。プリペイドの相場は1分当たり$0.10、安いところだと1分当たり$0.04がある。したがって、この文章は完全に間違い。1分当たり$0.25は、平均のプリペイド通話料金$0.10よりはるかに高い。
そもそもこの会社が使っている回線業者のAT&Tでさえ、自社のプリペイドGoPhoneの通話料金を2011年1月に1分$0.25から$0.10に引き下げているのに、この会社はいまだに1分$0.25で課金していて平気、というのが理解できません。


手数料無料のナンバーポータビリティをご参照ください

アメリカの携帯会社は、どこでもナンバーポータビリティは手数料無料が常識です。


参考: 個人プラン月額基本料金比較表
アメリカの携帯電話会社では、契約期間が短くなるほど、月額基本料金が高く設定されています

そんなことは絶対にありません。契約期間が短くとも(Month-to-Month、1年契約)、2年契約でも、毎月の月額基本料金は同じです。
ただし、ポストペイド2年契約の場合には端末購入代金に割引が適用されます。契約期間束縛の無い契約(Month-to-Month)では、端末は定価で購入します。その差は、最大$450です。

また、最新(2013年3月24日から)のT-Mobileのポストペイド契約と、StraightTalkのiPhoneプリペイド契約以外には、端末代を分割で支払う仕組みは今のところアメリカの携帯会社はありませんので、端末代分割料金が毎月の料金に含まれることも絶対にありません。(ただし、T-Mobileが端末代金分割サービスを始めたので、今後、この傾向を追随する他のキャリアが増えてくるでしょう。)


月額基本料金
※ 通話料金にかかる税金だけで$10以上!?

プリペイドでは、掛かりません。(州や店によって、トップアップカードを購入するときに消費税が掛かることがあります。ただし、消費税が掛かるほうが例外です。)


あまった無料通話は翌月に繰越し
•繰越し期間に制限はございませんが、無料通話の合計金額は$19.98までとなります

要は、「2か月分しか繰越し出来ない」ってことですね。AT&Tのポストペイド契約なら、6ヶ月分まで繰り越し可能。
また、プリペイドでPay-as-you-goプランやDailyプランなら、使用期限を切らさずにトップアップを続ければ、何ヶ月でも永久に未使用残高の100%が繰越せるプランは、幾らでもあります。


ご利用料金
無料通話を超えた場合でも、ご利用料金は変わりません。また、消費税、Long Distanceなど、下記項目以外は、一切課金いたしません

だから、「Long Distance」料金を課金しているアメリカの携帯会社は、イマドキは無いって。


通話:発信:米国外:日本:固定・携帯電話:$0.50 /分

まあ、高くはないけど、他のプリペイド会社でもっと安いところは、いくらでもあります。
例:Virign Mobile USAは日本の固定電話へ発信$0.22/分、日本の携帯電話へ発信$0.35/分。


インターネットに接続する場合は、無料WiFiのご利用をおすすめします。

「無料WiFiがどこでも使える」と感じられるのは、ニューヨーク(マンハッタン)、サンフランシスコダウンタウン、など建物が密集している大都会のダウンタウンだけでしょう。
この会社のスタッフは、車社会のロスアンジェルスとかに住んだことがあるのでしょうか? アメリカのほとんどは、車社会なんですけど・・・


サービスの解約
月額基本料金$9.99プランは、最低契約期間を設けておりません。つまり、いつでも無料でご解約いただけます。短期間のご契約だったとしても、違約金などを請求することは一切ございません。

プリペイド契約なら、当たり前。ポストペイドでもMonth-to-Month契約なら、同じ。


「エリアコード(Area Code)」は通話料金に影響するのですか?
州外通話には、発信時の料金「In-state call」、もしくは受信時の料金「In-coming call」のほかに「Long Distance(遠距離通話料金)」が追加課金されます。・・・米国内であれば、通話の受発信は一律25セント/分となります。

一昔前の話。今はどの携帯会社も一律料金。しかも、1分$0.25はMVNOにしては極端に高い価格。他社の2.5~6倍。



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「アメリカの携帯電話事情はここ数年で随分変わりました。古い情報にはご注意を。」への4件のフィードバック

  1. この親会社で働いていました。
    国際なんてどこ吹く風、今や完全なDomestic企業です。

    情報が古いのも頷けます。
    というか、未だに日本人の海外赴任者は現法という日本企業に頼り過ぎています。
    そして、「まあ、高くても英語出来ないからいいや」という言葉ですましています。
    これが、現実ですね。

    逆のケースだと、結構ガンガンに日系キャリアのショップに行って質問攻めにしてます。
    (見たことありますし、意思の疎通が出来ない事があるので、たまに通訳してあげます。が、ショップからは「ありがとう」の一言も無いですが、日本語出来ない人からはビールおごってもらった事があります。)
    まあ、この場合「やわらか銀行」に行く人が多いです。

    しかしまあ、iPhoneは無い、最新のアンドロイドも無い,そして日本で使った携帯は使えないから買えと、時代錯誤も甚だしいです。

    ところで、昔はAT&T(大文字の頃)は日本語サポートあったのですが、at&tになった今は日本語あるんですか? 

    管理人 返信:

    AT&Tはカリフォルニア州モントレーに通訳センターがあって、いまだに人を募集しています。だから、あると思ったら・・・
    ありましたね。
    https://www.att.com/Common/world/japanese/order_form_IE.html?id=nostate

    ここ数年はAT&Tから長距離電話や国際電話の勧誘に電話来なくなりましたねぇ。

  2. この記事で何処の会社かすぐ分かりました。
    ただやはり日本人にとってアメリカを問わず現地の携帯電話を購入することに関しては敷居はまだ高いと思います。
    プリペイド・ポストペイドにかかわらずです。
    もっと情報があればいいのですが意外と無いと思いますよ。

    管理人 返信:

    >この記事で何処の会社かすぐ分かりました。

    「全米一安い」と書いていながら、全米一安くないところが問題ですね。
    書いていることと、事実が違うことが、問題。
    月の最低料金 ⇒ 安いところはもっとある。
    1分あたりの通話単価 ⇒ MVNOで一番高い。
    データ通信 ⇒ 高い。
    日本への国際電話 ⇒ 安いところは他にもある。

    >ただやはり日本人にとってアメリカを問わず現地の携帯電話を購入することに関しては敷居はまだ高いと思います。
    >プリペイド・ポストペイドにかかわらずです。
    >もっと情報があればいいのですが意外と無いと思いますよ。

    だから、このブログがあるんでしょ。他にどんな情報が必要ですか?
    もう、2年半やっているんですが。

    無知な人間に正しくない情報を提示し、(知らないことの)恐怖感を与え、「だから(高くてもよいから)うちと契約しましょう」というタクティックスは、インターネット時代のマーケティング/営業戦略としては、間違っています。
    正しい情報を与え、ユーザーに公正な判断を行える機会を与えるべきです。

    そして、それでも選んでもらえる価値のある商品(サービス)を作るのが、インターネット時代の企業の役目です。

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