アメリカ大学院のコンピューター学科専攻は、過半数が留学生。


- Old Counter



先週発表されたComputer Research Association(CRA)の調査によれば、アメリカの大学院のコンピューター学科専攻の過半数は、留学生。それも、アジア系の留学生だそうです。しかも留学生の比率は、年々増えているそうです。
Foreign Students Now a Majority in Computer Science Grad Schools – 2013年3月11日

2011年秋~2012年春にアメリカの全大学院に登録したコンピューターサイエンスPh.D.課程の学生の60%は、留学生(nonresident aliens)だったそうです。これは、過去最高です。
同じ時期に与えられたPh.D.デグリーは1929人で、その1年前の2010年秋~2011年春の期間に比べて8.2%増加しています。

コンピュータサイエンス修士課程では、2011年秋~2012年春期卒業生の53.8%は留学生でした。2009年秋~2010年春期は51.8%、2010年秋~2011年春期は47.8%でした。

大学院の留学生が増えている理由としては、主に中国、インド、南アメリカの経済が向上したことによって、これらの国でアメリカへ大学院留学できるミドルクラス層が増えていることを挙げています。以前に比べて経済的に余裕が出来て、これらの国から修士課程および博士課程への留学生が増えています。しかも、以前に比べて自費留学生が増えているということです。これらの大学院留学生にとって、アメリカの大学院の教育レベルは世界的にも高いと認識されているようです。また、博士課程で行う研究テーマも、アメリカ国内で提供できるサブジェクトや、利用できる研究施設やシステムが世界的に優れていると評価されているようです。

アメリカの研究レベルが他国よりも高いのは、連邦政府各省庁の予算からアメリカ国内の各大学に流れる研究費の額が大きなためですが、他国、特にシンガポールなども高等教育への投資を行っており、アメリカの科学研究への投資が減ると世界におけるアメリカの優位性も無くなって来て、優秀な留学生が他の国に流れていく恐れがある、とジョージワシントン大学のコンピュータ学部学長のYoussef教授は懸念を述べています。特に連邦政府の予算をカットしようという動きの中で、科学研究費の今後の増減が注目されます。

学部学生レベルでは、コンピュータサイエンス専攻で学士号を貰って卒業した留学生は、コンピュータサイエンス専攻卒業生全体の6.9%(2011年秋~2012年春期)、5.8%(2010年秋~2011年春期)、7.6%(2009年秋~2010年春期)しか折らず、依然として留学生は少ないです。

しかし、留学生・米国内学生を問わず、コンピュータサイエンス専攻学生の入学は過去5年間、増え続けています。特に2011年秋~2012年春期はその前の年に比べて30%増で、驚くべき増加だとCRAは言っています。

アメリカでは修士課程・博士課程修得留学生が卒業後にアメリカに留まり易くしようと言う動きが議会にあり、オバマ大統領もこの動きに賛同しています。現在審議中の移民法改正包括法案では、これらのアドバンスト・デグリー取得者が永住権を取り易いようにする案も含まれることが期待されています。



――<●>――
関連すると思われる記事:

  • 関連すると思われる記事が見付かりませんでした。