Sprintが、自社用に販売された携帯をSprint MVNOで使用することを許可開始


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アメリカのCDMA2000キャリア(Verizon、Sprint、MetroPCS、Cricket、US Cellularなど)は一般的に、自社用に販売された携帯のシリアル番号(ESN番号またはMEID番号)をキャリアのコンピュータのデータベース(”Retail”データベース)に登録して、通信が可能になります。
そして、自社販売以外の端末の登録を拒否します。

CDMA2000の回線を持っているキャリアは、その「自社回線利用者」シリアル番号データベースとは別に、MVNOの販売するCDMA2000携帯のシリアル番号のデータベース(”PLBL”データベース=”Private Label Business Line”データベース)を作成し、分離して管理しているのが普通です。

これまでVerizonやSprintは、自社携帯のESN/MEID番号の”Retail”データベースから”PLBL”データベースへの移行を許可していませんでした、結果的に、VerizonまたはSprint用に販売された携帯機種は、そのMVNOでは使用出来ないものが多かったです。
理由は、各キャリアの携帯本体には、キャリアの提供する個別サービス用のアプリ/プログラムが搭載されていることが多かったためです。たとえば、家族の携帯の位置をGPS検索できるFamily Location Serviceアプリや、キャリア専用のGPSナビ・アプリなどです。

このたび、Sprintはこの慣例を破り、Sprint用に販売された古い携帯を、SprintのMVNOで使用することを許可開始します。

つまり、Sprintの古い携帯が机の引き出しの中に忘れられていたとして、その携帯をSprintのMVNOに持って行って、そのMVNOのプリペイドサービスに加入することが出来ます。MVNOがSprintにリクエストすることにより、Sprintがその携帯のESN/MEID番号をSprintの”Retail”データベースからPLBL”データベースへ移行してくれて、その携帯本体がMVNOで使用できるようになります。

Sprintはこれまで数ヶ月、試験的にKajeet、Ting、ChitChat、EcoMobile、PrepaYdなど数社のSprint MVNOで実行してきましたが、これからは70社あると言われるSprintのMVNOの全てでこれが可能になります。
この新方針の導入により、Sprint MVNOが新規顧客を獲得し易くなることと、資源の再利用を高めることを目的とします。
Sprintのプレスリリースには「アメリカ環境保全局(U.S. Environmental Protection Agency)の発表によると、アメリカでは1年間に1億3500万台の携帯電話が破棄され、これらを再利用することによって、年間24000世帯の電力使用量を節電できる。」と掲載されています。

SprintのMVNOの代表的なプリペイド会社は、
アメリカのプリペイド携帯電話会社:【ほぼ】完全リスト – 2012年12月26日
のリストを参照してください。

なお、このSprintの新方針には、以下の例外があります。
● Sprint MVNOで使用できる携帯は、Sprint用の携帯であること。Sprintの100%子会社であるVirgin Mobile USAまたはBoost Mobile用の携帯は、Sprint MVNOでは使用できません。
● Sprint用の携帯は、Virgin Mobile USAまたはBoost Mobileでは使用できません。
● iPhone、Palm OS、BlackBerryは、この新方針の対象ではありません。
● SprintのCDMA/WiMaxデュアルモード携帯は、MVNOがWiMaxサービスを提供していれば、WiMaxでも使用できます。
● SprintのCDMA/LTEデュアルモード携帯は、MVNOではLTE通信では使用できません。CDMA2000だけです。
● 端末は”Clean ESN/MEID” であること。つまり、端末が盗難報告/紛失報告、または、未払いなどで、ブラックリストに載っていない事。
● Sprintのこの新しい方針は、2013年3月5日から有効です。
● それぞれのMVNOがSprint端末を受け入れるかどうかは、MVNOの判断によります。(たとえば、SprintのMVNOであるRepublic Wirelessは通話をWiFi回線経由で使用するための特殊アプリが必須なので、そのアプリが搭載されている自社端末しか使用を受け付けません。)

皆さんも古いSprint携帯を、子供やアメリカへ来たばかりの人に再利用してもらったら、どうでしょう?

Sprintのプレスリリース:
Sprint News Releases:Sprint Gives MVNOs an Alternative to Phone Subsidies Through “Bring Your Own Sprint Device” Program – 2013年3月5日

紹介・解説記事:
Sprint To Allow Its MVNOs to Activate Most Sprint Phones – 2013年3月5日



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