AT&T SIM(GoPhone含む)で盗難電話/不正電話を使った場合、どうなるか?


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AT&Tは今年(2012年)7月より盗難電話/不正電話対策として、これらの携帯電話のシリアル番号(IMEI番号)をデータベース化し、その携帯電話のAT&T回線での使用を防ぐ対応を始めました。・・・というニュースは以前、紹介しました。
AT&T、盗難携帯のアクティベーションを禁止する処置を今週から開始すると発表 – 2012年7月10日

で、「じゃあ、実際に盗難電話/不正電話をAT&T回線で使おうとしたら、どうなるのか?」は詳しく記述されているところを見たことがありません。
たまたま、筆者が関係した携帯電話の1台がこの状態になりましたので、ご報告します。

ここで、
● 盗難電話・・・もちろん、ユーザーにより携帯電話「盗難報告」がAT&Tにリポートされ、そのシリアル番号(IMEI番号)がAT&Tのデータベースに保存されている携帯電話機本体。
● 不正電話・・・携帯電話機を販売する店舗からの万引きを防ぐため、プリペイド携帯電話パッケージやトップアップカードやギフトカードは、レジで商品のシリアルコードのバーコードをスキャンしないと、使用できないようになっています。このスキャンを忘れたり、正しくスキャンされずに店外へ持ち出された商品は、不正電話・不正カードとなり、使用できません。
オンラインで同様な商品を注文した場合でも、出荷する倉庫で正しく商品のシリアル番号がスキャンされないと、同じく不正携帯電話・不正カードの扱いとなります。

今回の状況背景:
● アメリカのコンフェレンスに数人で出席する日本人のグループのために、筆者が家電量販店BestBuyのオンラインショップで、AT&TのGoPhoneを4台(同じモデル。通話だけの安いフィーチャーフォン。)を購入して、日本へ送付。もちろん商品は新品で、パッケージは開封された形跡が無い。
グループはアメリカへ到着後、SIMをアクティベートして携帯を使おうとした。
うち、3台は1週間の滞在期間中、問題無く使用できたが、残り1台がアクティベート後に一度は使えたが、その後すぐに『使えなくなった。』

● 筆者が指示して、現場でいくつかテストをしてもらい、仮説を立てた。(現場の状況把握が完璧ではなかったので、その仮説は間違っていたので、ここでは書きません。)
最後に別に筆者のところで新しいGoPhone SIMをアクティベート/トップアップし、念のために3台の違う携帯(フィーチャーフォン、アンドロイド、iPhone 3Gs)で通話が出来ることを確認し、そのSIMを翌日到着郵便で送った。

● 送ったSIMを問題の携帯に挿入したら、通話が出来なくなった。
筆者がオンラインでSIMのアカウントを確認するも、特に変わったことは無く、Active状態になっており、残高も充分有る。

● 結局、この携帯1台は、滞在中使えなかった。

日本へ帰国後、問題の携帯とSIMを返送してもらい、筆者が確認して、状況が把握できた。更にAT&Tのセキュリティー担当カスタマーサービスと電話で会話して、その事実が確認できた。

以下はそこで判った、「AT&T SIM(GoPhone含む)で盗難電話/不正電話を使った場合、どうなるか?」と、その場合の対応方法の報告です。

■ AT&Tの不正電話を、AT&T回線で使った場合、どうなるか?

まずは、今回の場合の「不正電話」を使用した場合の状況報告と、対策です。

「不正電話」とは先にも書いたように、「お店で会計(レジを通る)をしたとき、または、オンライン注文でしたとき」に、商品パッケージのシリアル番号がスキャンされなかったか、正しくスキャンされずに、携帯本体が「アクティベート」されていない電話の事を指します。

実店舗で購入する場合にはこのような「レジでのアクティベーションが必要な商品(SIMだけのパッケージや、ギフトカードやトップアップカードも含む)」は店員が確認しますので、問題が発生する可能性は低いです。また、会計後に貰うレシートにも「商品がActivateされた」と明示されていたり、別途「Activation済み」と書かれた小さなレシートが出てきたりしますので、それでも確認できます。

問題は、オンラインで注文する場合です。
実は、これまでにもBestBuyのオンラインショップでSIMカードを購入した時、「出荷メール」が来て暫く(数日後)してから、「x月x日に送った商品が出荷時に正常に(出荷)アクティベートされていない可能性があることが判明しました。もし、SIMを既に(回線)アクティベートしていて、正常に使用できていたら、このEメールは無視してください。(回線)アクティベーション時に問題があれば、お近くのBestBuy店舗で交換してもらってください。」のような通知が複数回来ています。その場合は、まだ(回線)アクティベーションをしていない未開封の状態であっても、毎回BestBuy実店舗に持っていって、その場で交換してもらい、商品の「レジ・スキャン」を自分の目で確認しています。
今回問題の携帯電話機に関しては、一度に4台購入したのも「スキャン・ミス」をBestBuy側のシステムで検知できなかった理由なのか、同様な案内は購入後にはありませんでした。

症状1:「不正電話」に付随のSIMをアクティベートして、そのSIMを「不正電話」に挿入した場合の症状

● SIMのアクティベートは、問題の「不正電話」携帯のシリアル番号(IMEI番号)を使用して、問題無く完了します。

● 筆者が実際にその場に居て使ってみたわけではないので確認は出来ませんが、使用者のお話を聞くと、アクティベートしたSIMを「不正電話」に挿入して通話をしようとすると、最初の1回は通話が使用できます。

● 2回目から電話を発信しようとすると、AT&Tの録音メッセージが流れ、相手に繋がりません。
メッセージは
「Thank you for calling AT&T about your wireless service.
For assitance in English, Press 1.
(その後、スペイン語で For assistance in Spanish、 press 2.)」

別の電話機からこの携帯に電話をしようとすると、
「The person you’re trying to reach is not accepting calls this time.
Please try your call later.」
という録音メッセージが流れ、問題の携帯では呼出音が鳴りません。

● このSIMを、他の携帯電話に挿入しても症状は変わらず、同じメッセージが流れ、通話が出来ません。 着信も受けられません。
 
 

症状2:「不正電話」に、使用可能なことが判っている別のSIMを挿入した場合の症状

そして、これが大問題です:

● 既に別の携帯でアクティベートされていて、別の携帯で通話が出来ることが確認されているAT&T(GoPhone) SIMをこの携帯に挿入すると、同じ録音メッセージが流れ、通話が出来なくなります。

● このSIMをもう一度オリジナルに通話できていた携帯に戻しても、同じ録音メッセージが流れ、通話が出来なくなります。
 
 

結果:「不正電話」を使用するとどうなるか?

AT&Tのセキュリティー担当カスタマーサービスに確認してわかったことは、「不正電話」を使用すると、
● 1.不正電話の携帯電話のIMEI番号が、ブロックされます。
● 2.そのブロックされた携帯電話でアクティベートし、使用しようとしたSIM(ICCID番号)が、ブロック、および、(不正端末に)ロック(紐付け)されます。
端末に「紐付き」になったSIMを、別の端末に挿入すると、「SIM Crash」「Invalid SIM」「Invalid SIM card」「不正なSIM」「Emergency calls only」「緊急通報のみ」「No Service」「圏外」なとど表示され、そのSIMが「紐付き」になった端末以外では読めなくなります。
● 2A.そのブロックされた携帯電話で使用しようとした別のSIM(ICCID番号)が、ブロックされます。
● 3.そのSIMの電話番号(セキュリティー担当カスタマーサービスによれば、「アカウント」)の使用が、ブロックされます。
以上のことが起こります。
 
 

対策:間違って「不正電話」と認識された場合の対策

不正電話を使用して通話を発信しようとすると
「Thank you for calling AT&T about your wireless service.
For assitance in English, Press 1.
(その後、スペイン語で For assistance in Spanish、 press 2.)」
という録音メッセージが流れることは上に書きましたが、ここで「1」を押してそのまま待っていると、更にメッセージが流れ、AT&Tのセキュリティー担当カスタマーサービスに繋がります。
そこで、生のカスタマーサービスと(英語で)会話し、その場で事情を説明し、この携帯が間違って「不正電話」と認識されたとカスタマーサービスが判断し、かつ、携帯を購入/アクティベートした本人だと確認できれば、
● 1.携帯電話のIMEI番号の一時的ブロック解除をしてくれて、1週間はその携帯が使える。
● 2.アカウント(電話番号)のブロックを一時的に解除してくれて、1週間はそのSIM(電話番号)が使える。
● 3.SIMがその携帯本体に「紐付き」になっているのを解除してくれて、1.がうまくいかなかった場合には他の携帯端末でそのSIMが使えるようにしてくれる。
のうち、1&2、または、1&2&3の対応をしてくれます。

なお、本人確認に使われる情報としては、
● 名前
● Eメールアドレス
● 最後にいつ(何月何日)、何ドルトップアップしたか
を聞かれることがあります。

ブロックを1週間後以降も「永久的に」解除してほしい場合には、その携帯のレシートのコピーを、1週間以内に指定のEメールアドレスまたはFaxでAT&Tに送ります。商品をオンラインで購入した場合には、レシートは、Eメールの「注文確認書(Order Confirmation)」でも構いません。
念のため、Eメールアドレスを書いておくと、
● [email protected]
です。「Solution」の後ろに「s」は付きません。また、『「G」と「P」と「S」は大文字にするように。』とAT&Tのカスタマーサービスには念を押されました。筆者はファックスでは送信しなかったので、ファックス番号は聞いていません。
 
 

ということで、AT&Tで「不正電話」を使用すると、その携帯本体だけではなく、「不正電話に挿入したSIMが、全て使えなくなります。」ということが、判りました。

また、オンラインでAT&Tの携帯を購入する場合には、そのシリアル番号はちゃんと「出荷(レジ)」アクティベーションされているかどうか、確認したほうが良いですね。特にBestBuyオンラインショップは手順ミスが多いようなので、要注意です。(問題がある場合には近くの実店舗で無料交換してくれますが、余計な手間ですよね。)
 
 

■ AT&Tに盗難電話とリポートされている携帯電話を、AT&T回線で使った場合、どうなるか?

カスタマーサービスに繋がっているついでに、盗難電話をAT&T回線で使った場合にどうなるか、聞いてみました。(話したAT&Tの担当者自身は親切で、同情的でした。)

で、結果は同じです。携帯そのものは既にブロックされているので、新たに携帯本体のブロックは発生しませんが、その盗難携帯電話に挿入したAT&TのSIMの全てが
● その盗難携帯電話で使用しようとしたSIM(ICCID番号)が、ブロックされます。
● その盗難電話で使用しようとしたSIMの電話番号(「アカウント」)の使用が、ブロックされます。
になります。

ということで、AT&T SIMで「盗難電話」を使用すると、「盗難電話に挿入したSIMが、全て使えなくなります。」

AT&TのMVNOのSIMを盗難電話機で使用した場合にどうなるかは検証していませんが、MVNOの各社の方針によると思います。
 
 

はい、これで「AT&T SIM(GoPhone含む)で盗難電話/不正電話を使った場合、どうなるか」が判りましたね。
では、中古電話を購入する場合には、くれぐれも気をつけてください。
オンラインで新品携帯電話を購入する場合にも、エクストラの心遣いが必要です。



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