T-Mobile USAとMetroPCSが合併


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昨日から噂が流れていましたが、T-Mobile USAがMetroPCSと合併するというニュースが、今朝、公式に両社から発表されました。
形式としては、T-Mobile USAが「15億ドル + 新会社の株式」で買収する形をとり、新会社の名前はT-Mobile(T-Mobile USA)と成ります。
新会社の株式比率は、現T-Mobile USAのドイツテレコムが74%、現MetroPCSの株主は現金+26%の株の保有となります。
T-Mobile US and MetroPCS To Merge – 2012年10月3日

この合併はアメリカ司法省の承認が必要ですが、2013年前半には認可が下りると予想されていますので、2013年夏まではT-Mobile USAとMetroPCSの2社が両立、その後、MetroPCSはT-Mobile USAに名前が変わります。

T-Mobile USAは加入者約3300万人でVerizon、AT&T、Sprintに次ぐアメリカ第4位のキャリア。MetroPCSは自社基地局を全米約20地域に持ち、プリペイド専門のキャリアで加入者約950万人の全米第5位のキャリアです。

LTEの設備投資でMetroPCSなど中規模キャリアは経費負担の重荷が足かせとなっており、MetroPCSは今年2月末にもSprint社長がほぼ買収を決定したにもかかわらず、Sprint役員会で「今は自社のLTEサービス開始に専念すべし」として反対されており、MetroPCSの資金状態の弱体化が明らかにされていました。

他のMetroPCS以下の中規模地域キャリアも、第6位のCricketがアリゾナ州ツーソン(Tucson)で昨年12月にLTEを開始したにもかかわらず、資金調達が出来ない為か、その後、他の地域にLTEを拡張していません。LTEの流れに乗って、MetroPCSやCricketのように同じように苦労している中規模キャリアが今後、買収の対象になっていくと予想されています。(Cricketを買収するのは、Sprintと推測されています。)

T-Mobile USAとMetroPCSが合併した後も、新T-Mobile USAは全米4位のキャリアにとどまります。

現在のT-Mobile USAとMetroPCSのサービスは以下のようになります。

  現-Mobile USA 現MetroPCS
2G通信 1900MHz GSM 1900MHz CDMA1x
3G通信 AWS W-CDMA/HSPA+/DC-HSDPA
1900MHz W-CDMA/HSPA+を追加新設中
1900MHz CDMA2000 EV-DO Rev. A
LTE通信 AWS(Band 4)
2013年中頃開始予定
AWS(Band 4)
2010年9月開始
備考 LTEは、LTE Advancedを最初から開始予定。 一部の地域でVoLTE(Voice over LTE)をテスト中。
VoLTE用端末を既に販売している。

 

この表で見ても判るように、両社のLTEの周波数(AWS、上り1700MHz/下り2100MHz、Band 4)が共通であることがT-Mobile側にとって魅力的だったことがわかります。この周波数はiPhone 5 A1428 GSMモデルと新iPad GSM(AT&T)モデルで対応しており、また、カナダの主要キャリアがLTEで使用している周波数でもあります。

しかし、3G通信の方式が違う(T-Mobile USAはGSM/W-CDMA、MetroPCSはCDMA)なので、当分は両方の通信方式を継続してサポートしていかなければならず、iDEN通信方式のNextel社を買収したSprint社と同じ経営的悩みを抱えていくことになると心配するアナリストもいます。

T-Mobile USAはこれまで提供している3G周波数がiPhoneに対応していないので、アメリカ主要4大キャリアの中で唯一iPhoneを販売できないでおります。その結果、直近四半期のポストペイド加入者が約20万人減と成っています。
しかし、T-Mobile USAはプリペイイド(Monthly)プランで他社に無いプランを出しており、プリペイド加入者は増えています。
MetroPCSも「ネット使い放題プラン」で、アメリカ国内で加入を受け付けている約20都市では堅実な支持を受けています。

追記:
TheVerge誌によれば、MetroPCSの1900MHz CDMA通信方式は2015年までに停波され、その電波は他の目的(3G W-CDMA/HSPA+またはLTE)に再編される予定です。
それまでにMetroPCSの加入者は新しい携帯への機種変更が必要です。
T-Mobile to move MetroPCS customers onto its network by 2015, expand LTE coverage – 2012年10月3日



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「T-Mobile USAとMetroPCSが合併」への8件のフィードバック

  1. SprintがT-Mobileに対抗してMetroPCSを買収する案件を提示したような記事が先週ありましたね。

    管理人 返信:

    正確に書くと、
    「Sprintが、MetroPCS買収の競合オファー(Counter Offer)を提出することを、検討している」というニュースです。
    Sprintがオファーを出すとして、
    1.提出するのはMetroPCSの役員会へ提出、
    2.MetroPCSの役員会へ提出して拒否されれば、(そしれ、それでもSprintはMetroPCSを買収したければ)、SprintはMetroPCSの株主へその提案を公表し、株を買い集め(実際には、買収することを条件に株を預かり)て51%以上の株を入手し、Hostile Take-over(敵対的買収)をすることは、可能です。

    このために、Sprint役員会は先週金曜日に役員会議を開いて議論しているはずですが、その結果もニュースになっておらず、その後具体的なSprintのMetroPCS買収オファーも発表されていません。
    SprintがCounter Offerを出す期限は実質的には司法省のT-Mobile/MetroPCS買収許可が出るまでは可能ですが、MetroPCSはT-Mobileとの合併(買収)話を破談にすると、1億5千万ドルの罰金をT-Mobileに払わなければなりません。
    よって、日が経つにつれてSprintがMetroPCSを買収する可能性は低くなり、その代わり、SprintがCricket、US Cellularなどを買収する可能性のほうが高くなります。

  2. SprintがMetroPCS買収に動くどころか自分自身が買収されちゃうかもしれませんね。
    でもさらに2兆円の借金をしてまで買うのか疑問です。
    その昔AT&Tへの出資でdocomoも散々でしたからねえ。

    管理人 返信:

    T-MobileのMetroPCS買収には、総額15億ドルの現金をMetroPCS株主に支払う条件が入っています。
    Sprintが競合オファーを出して「T-MobileのMetroPCS買収」を阻止するには、それよりも良い条件を提案しないとMetroPCSの株主は合意しません。
    自社自身がLTEのネットワーク網整備で現金が必要なときに、Sprintはそんな現金はありません。たしか、Sprintは昨年12月に増資したばかりだと思います。(記憶がはっきりしないですが・・・)そうだとすれば、普通に資金集めをしてもそんなに簡単に短期間で現金が集まるわけがないです。

    よって、新しい株を発行し、その新Sprint株をソフトバンクに売って現金を手元に持ち、それでMetroPCSを買収するのは、一つの手段というか、それしか方法は無いでしょうね。TD-LTEの関係で、Sprintが助けを求めるとしたらソフトバンクか、中国移動か、でしょう。

    しかし、SprintにとってMetroPCSにそれだけの価値があるか、判りませんね。

    孫社長は銀行から金を借りて1990年代にアメリカに乱投資しましたが、マネーゲームだと思っていると思いますよ。
    過去のアメリカでの投資の失敗から、Sprintを買収して完全にコントロールしようとは思っていないと思いますね。
    ソフトバンクにしてみれば、SprintがTD-LTEの普及を早めてくれれば、ネットワーク機器が大量に生産され、単価が安くなるので、そのメリットがソフトバンクに返ってきます。そのためにSprintに投資し、時期が来れば値上がったSprintの株を売る・・・その程度でしょう。
    1990年代、孫社長の失敗で結局損をしたのは日本の銀行だと思うんですが、今回はどういう資金の構成なのかな・・・

  3. 正式に発表されましたね。
    アメリカでも割賦の販売やフォトフレーム、みまもりの抱き合わせ販売もやるようですね。
    しかしローミングに関しては今のところメリットはなさそうですね。

    管理人 返信:

    >アメリカでも割賦の販売やフォトフレーム、みまもりの抱き合わせ販売もやるようですね。

    アメリカはクレジットカードの社会ですから、分割払いしたければクレジットカードで一旦全額払っておき、クレジットカード会社に自分が分割で払えばよいことなので、キャリアが割賦販売することは、ありえません。そもそも制度上、出来ないことだと思います。ただし、Sprintが自社で信用販売(クレジットカード)の別子会社を作って、そこを通して分割払いを提供するなら話は別ですが。

    フォトフレームはもう廃れていますね、アメリカでは。それよりは、iPad/アンドロイドのタブレット端末販売でしょう。それと、テレビとCATVセットトップボックスやAppleTV/GoogleTV的な端末を使ったアプリですね。

    Sprintは米国4大キャリアの中でも通信を利用した特別サービスには寛大なキャリアなので、既にオプション・サービスは色々提供していますが、それがアメリカ人に受け入れられるかどうかはサービスの内容次第ですね。しかし、これらはどちらかというとキャリア先導型のサービスではなく、ベンチャー会社がサービスを開発し、キャリアがそれを独占で提供する、という形で進みます。
    あと、アメリカは各家庭にCATV回線が固定電話回線のほかにも入っているので、オプションサービスは携帯会社だけとの競争ではなく、CATV会社や固定電話会社、場合によってはスマートグリッド・サービスを提供する電力会社との競争にもなります。

    したがって、ソフトバンクもそんなに安直に日本と同じサービスがアメリカで出来るとは、考えていないと思いますよ。

  4. ソフトバンクは好きでも嫌いでもないですが、売り方が強引過ぎるのが難点ですね。
    定価で購入しようにも直営店で無いとフォトやみまもりの抱き合わせですからねえ。
    さらに今はもれなく1000円程度のmicroSDもSoftBankセレクションとして10倍近い金額で販売。
    金額を悟られないように一括価格の表記は小さくして、オプション品などを24分割した毎月の金額だけを大きく表示して、いかにも安く購入できるような詐欺表示はどうかと思いますよ。
    店員もそうそういう表示に慣れているのか、一括購入は絶対に勧めませんし総額は軽く受け流すくらいの会話しません。
    Sprintもおかなしな販売方法にならずネットワークが強化されればいいですね。

    管理人 返信:

    >ソフトバンクは好きでも嫌いでもないですが、売り方が強引過ぎるのが難点ですね。

    フランチャイズ店が多いからでしょう。
    フランチャイズ店主は、利益中心ですから。

    >Sprintもおかなしな販売方法にならずネットワークが強化されればいいですね。

    日本のやり方だったら、みなSprintを解約します。
    アメリカ人は、不要なものは買いません。

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